登山ではレインウエアは単なる雨具ではありません。
その存在理由はどちらかといえばテントやシェルター(避難所)に近いものです。
絶対にデザインや好き嫌いで選ぶべきではありません。
なぜならその真価が試されるときというのは生死の境です。

私のモンベル・ストームクルーザーです。
山を始めたころに買って以後の山ではずっといつも一緒です。
モンベルのお姉さんに「これにしておきなさい」と言われたのです。
いまだ一度も遭難騒ぎにはなっていませんのでこの色の派手さ輝き具合は・・・。
ストームクルーザーの前年モデルにしなさい!!
もし高い!!と思ったなら、
前年モデルがモンベルのアウトレットなどで買えます。
ただ私はこのストームクルーザーだけは全然高いと思いません。
長持ちしますし、実際もう何年も一緒です。
そして命を託すものですし、お守りですから。
この安心感と信頼感は何物にも代えられません。
登山用レインウエアはサヴァイヴァルのためにある。
登山での危険は落石や滑落だけではありません。
低体温症にも十分な注意をしなければいけません。
低体温症は人体の深部体温が35度以下になった状態をいいます。
がたがた震え、震えが止まらない状態です。
さらに1度下がり34度以下になっただけで震えることもできなくなります。
意識ももうろうとして自力での生存と生還は不可能となります。
屈強な山男であろうとも濡れて風に吹かれればあの歌のように死ぬのです。
””娘さん、よく聞けよ。山男にゃ惚れるなよ。山で吹かれりゃよお、若後家さん(未亡人)さんだよ。””
山男の歌
それは雪と氷の冬山だけではありません。
真夏でも低体温症による凍死は数多く発生しているのです。
登山用レインウエアは低体温症から命を守りためにあるといってもいいのです。
山は下界とは別の気候、別の季節です。濡れて吹かれれば地獄です。
標高が100メートル上がるごとに0.6度下がります。
槍ヶ岳の山小屋の少し下が標高3,000メートルです。
街中より約20度も低いのです。
濡れて吹かれると急速に体温を奪われます。
水は空気よりも25倍熱を伝えやすいからです。
さらに風があれば風速1メートルで体感温度は1度下がるといわれます。
注意してほしいのは体温は思っているよりも短時間で低下してしまうことです。
私が奥穂高に登った時のことです。
ザイテングラードをもうすぐ登り終わるあたりで寒さを感じたのですが奥穂高山荘はすぐそこです。
そのまま上り続け我慢できなくなってからフリースとか着増したのですが、
山荘につく頃には歯がガチガチ音を立ててそれが止められませんでした。
暖かい飲み物を飲んで足の間にストーブを挟んでもしばらくは震えは止まりませんでした。
必要な性能
雨で体や衣服を濡らさない。
対水圧20,000MMが最低でも必要とされています。
袖とか襟とかチャック部分とかの造りをチェックしなければなりません。
汗で体を濡らさない。
透湿性能は10リットル/1 日以上あった方がいいとされています。
ゴアテック使用がほぼ定番です。
汗をかきそうなとき簡単に外気を通せるようになっていることも重要です。
撥水性能の有無をチェックする必要があります。
これは透湿性能を発揮させるには絶対に必要なことです。
水がべったり表面を覆ってしまえば湿気は通過でき直井からです。
風を通さない。
雨が降らなくても保温のために頻繁に使います。
過酷な気象条件の時、この一枚で外界を遮断するのです。
軽くて小さくたためる。
山道具では必須の条件です。
レインウエアは命が掛かています。信頼性が一番大事です。
モンベルは透湿性能で評価が確定しているゴアテックスを
早くから採用し使い慣れています。
様々な改良が絶えずなされていて
販売実績も相当なものになるはずです。
かくいう私も最初に買った登山道具はストームクルーザーでした。
登山用レインウエアは性能と信頼性で選ぶべきアイテムであり
デザインや好みで選ぶべきではないからです。
お気楽なランキングやベスト10を見て選ぶようなものではないからです。
もし値段が問題ならば前年モデルを買えばいいでしょう。
ニューモデルも来年には旧式になるのですから。
まとめ
登山用レインウエアがその真価を試されるのは命のかかった場面です。
レインウエアだけは信頼と実績のストームクルーザーを選ぶしかないでしょう。