深部体温が、わずか35度に下がっただけで体は震えが止まりません。
それは低体温症の始まりなのです。
深部体温が34度に下がればもう意識はもうろう震えることさえできなくなる。
死ぬ。というのは冷たくなることなのだ。

写真は私の寝袋です。
夏山しかやらない私にはこの寝袋の保温力がかなりオーバースペックなのが分かるでしょう。
私は寒いのがとても嫌いなのです。
嫌いなだけでなく寒さというものをとても恐れているのです。
近年、地球温暖化というお話の絡みからか夏になると熱中症が大騒ぎになっています。
しかし、あまり騒がれない凍死では熱中症の倍以上の人がなくなっているのです。
驚くことにそれは零度以下で起きるのではなく正常体温のすぐ近くで起きるのです。
そしてさらに驚くのはその大部分が室内で起きているのです。
人間は様々な化学反応で生きています。熱が重要です。
呼吸も消化も運動も頭脳の活動さえもすべては化学反応です。
そして化学反応は温度が必要なのです。
化学の授業で実験にアルコールランプがつきものの理由です。
お鍋にお肉と野菜と調味料と愛情を込めただけではいつまでたっても料理にならない理由です。
化学反応は温度の上昇で急激に早まります。
と、いうことは、わずかな温度の低下で化学反応は急速に失われるということです。
なぜ人の体温は37度なのか?
動物の体温は動物によって違います。
体内での化学反応の多くは様々な酵素を触媒として行われます。
人の持つ酵素の至適温度(最も適した温度)が37度あたりなのです。
人類は高温環境適応型で汗をかける数少ない種だ。
体全体に汗をかけるのは馬や牛と人間くらいしかいません。
皮膚表面にはほとんど毛がありません。
その皮膚のすぐ下には血管を張り巡らせてまるで全身ラジエーター状態です。
それに対し人類は低温には全然適応していない。
毛皮をもちません。
そして厚い皮下脂肪を持つことは2足歩行では絶対に無理でっす。
人間は寒さに対して用心し備えるしかありません。
震えはそれらの失敗の印で警告なのです。
しかし震えが来ることに驚く人はほとんどいません。
低体温からこの世界に戻れるチャンスは最初だけです。
体は体温を回復しようとオートマティックに反応します。
- 鳥肌を立てます。毛が無いのでかなりむなしい抵抗です。
- 皮膚表面近くの血管を縮め血流を減らし体温が逃げないようにします。
- 筋肉をこわばらせます。
- 震えにより筋肉を激しく運動させ発熱します。
いずれも一時的対処であることが分かります。
この震えがきた状態を明確に危険と認識し的確に対処すべきです。
- 暖かい環境に移動する。
- 暖かい食事、飲み物を取る。
- 保温効果の高い衣服を着る。
- 筋肉を動かし活動する。
- 風を避ける。
- 体を拭く
- 乾いた衣類に変える。
驚くことは自分で何とか出来るのはこのわずか1度,2度の体温低下までだということです。
34度以下になったらもう自力生還は不可能になります。
- 震えることもできなくなります。
- 大脳活動が低下し、判断力をなくします。
- 脈拍、呼吸、血圧が低下します。
- 皮膚は暗い紫色になってはれます。
- 筋肉はこわばって動けなくなります。
- 痙攣(けいれん)が起こります。
- 眼前が暗くなり幻覚を見たりし明日。
- 気が変になり雪山で素っ裸になったりします。
28度以下になると回復は絶望的です。
- 仮死状態になります
- すでに凍沍(とうご)という、死の一歩手前の状態です。
凍死の75%は室内で起きています。多くは泥酔者と高齢者です。周りの人による温度管理が必要です。
泥酔者と高齢者は危険な寒さを感じられません。
酒と加齢により知覚能力が低下するため低体温の自覚がないまま亡くなります。
さらに高齢者は体内深部温度が最初から低いので危険です。
筋肉量が少なく、運動量も少ないため発熱しません。
簡単に低体温状態になってしまいます。
室内温度が19度を下回ると危険といわれています。
さほどの低温とは思えない温度です。
この思い違い、認識不足が室内での凍死を招いているのです。
野外ではもっと高い外気温でも低体温症や凍死がおこります。
- 汗をかく。
気化熱を奪われます。 - 衣服を濡らす。
保温空気層がなくなり保温効果を失います。 - 風に吹かれる。
風速1メートルで体感温度は1度下がります。 - 濡れて吹かれる。
夏山でも凍死が発生します。 - 疲労によるエネルギー切れ。
発熱しない。
実際に夏山でも凍死は多く起きています。
まとめ
人間は驚くほど低体温に弱い。
鳥肌を立て震えるしかできない。
高齢者と酔っぱらいは周りが温度管理しないと危険だ。