イノシシ被害をなくすには。駆除ではイノシシは減らない。

私の住む町内では農家が使わなくなった田んぼや畑を借りて(大抵は無料)豆や野菜や果物作りを楽しんでいる方が多いいのですが、いまそこにイノシシが出て大変なことになっているのです。
今年になって箱罠(はこわな)を仕掛けて8頭も捕まえたのだそうです。
しかしそれだけで解決とはいかないようです。

イノシシ

  • 偶蹄目(ウシ目)イノシシ科
  • 生後2、3カ月の白い縞模様のころ「うりぼう」と呼ばれる。
  • 猪肉は山鯨。(江戸時代後期食肉禁止のため)
     近年はボタン(猪・獅子に牡丹から)
  • 西日本に生息、近年生息域が急速に北上。

野生のイノシシは一日の2/3は眠ったりじっと隠れていたりです。そして残りの一日の1/3はえさを探して歩き回ります。 餌探しが彼らの活動のほぼすべてなのです。

山や竹藪には巨体を養える食料はわずかしかありません。

その大変さは山歩きで彼らの食事の後を見るだけで想像ができます。

ミミズを探して鼻づらで土を掘り返した跡が方々にあります。

トゲだらけの山栗も食べてあります。

田んぼや畑はイノシシにとって最高の餌場です。

人間の栽培作物はイノシシにとって最高の食糧です。

栄養豊富でしかも簡単に手に入り一か所に沢山あるのです。

餌をとるためならイノシシは何でもやります。何でも食べます。

  • 蛇やカエルや虫やドングリとなんでも食べます。
  • ミミズを食べるために崖さえ崩します。
  • 鼻づらで土を掘り返し塊茎や塊根(いも)やタケノコを食べます。
  • もちろん栗やイネやカボチャや豆や果実があればそれを食べようと狙います。

イノシシは4から5匹の子供を産みその子供は翌年には子供を産める。当然親もその親も産み続ける。

子供の半分は飢えなどで1年もしないで死んでしまうというのは自然の厳しさですが

その一方、毎年子供を産める個体が増え続けるというのは凄い生命力です。

また発情期が春と秋年二回あり、子供が全部死んでしまった場合にはすぐ次の秋か春には子供を産むのです。

繁殖力の強さのため、その地域にいるイノシシの7割以上を毎年駆除しないとイノシシの数は減りません。無理です。

私の知る限り今の駆除数では増えることはあっても減ることは絶対にありません。

日本の自然には食物連鎖の頂点である肉食獣がいません。それがイノシシやシカの増加の理由です。

時代の風潮と高齢化で自然界における食物連鎖の頂点の役を担っていた猟師さんが減り続けています。

  • 狩猟事故があるたびに家族から心配されます。
  • 法律や免許や講習が負担です。
  • 肉は食べても殺すことには顔をそむける人たちがいます。
  • 農家にとっての害獣でも法律で保護される時代です。

駆除だけでは問題が解決しないのは明らかです。後はイノシシがやってくる理由、餌をなくすしかありません。食べるものがないか、食べられなければいなくなります。

落下果実やくず野菜や放置作物はイノシシにとってごちそうです。

餌になりそうな物は徹底的に取り除きます。

農地全体を柵で囲います。

個別にいくつもの農地を囲うよりも何軒かが共同で大きな囲いを作る方が大幅に少ない費用です.

漢字の田の字の4つの畑を、大きく口の字で囲えば1/2 で済みます。

田の字を4つ、16の畑ならば1/4の費用で済みます。

山側だけを長く塞ぐならもっと費用は少なくできます。

柵の種類

  • 電気柵
     電線に鼻先が触れることで感電させます。
     感電することを学習させることで近寄らないようにします。
     一段目は地上20センチ以下にします。
  • トタン板柵
     作物がイノシシの目に入らないという利点があります。
  • 網、ネット柵
     設置が簡単です。
     防御力は弱くても他より入りづらいという効果はあります。
  • ワイヤーメッシュ柵
     コンクリートの補強用ですが丈夫なのでよく使われます。
     簡単で丈夫です。
     
     

柵設置の注意点

イノシシの身体能力の高さを考慮して設置しないと無駄になります。

イノシシは用心深いので怪我を恐れジャンプは最後の手段です

  • 柵に20センチの隙間があれば成獣でも入り込んでしまいます。
  • 柵を壊そうとします。6、70キロの物も動かします。
  • 下をくぐろうとします。
  • くぐれないと鼻先で地面を掘って入り込もうとします。
  • どうしても入れないで柵の高さが1メートル以下なら飛び越えます。
     その場合も助走して飛ぶのではなく止まって上を確認し飛ぶようです。

柵設置の工夫

  • 柵の上部30センチ程度を外側に折り曲げる「忍び返し」が有効です。
  • ワイヤメッシュを地面に敷けば鼻先で掘り返すことを防げます。
  • 柵の手前の空中にワイヤを張ることでジャンプの邪魔ができます。
  • 2種類以上の柵を組み合わせることも有効です。
  • 柵の根元をイノシシの嫌う地面にすると近寄りません。
     イノシシやシカは足を怪我することを恐れます。
  • 柵の周りの草木を取り除きます。
  • 電気柵は草が伸びると電気が逃げてしまいます。草刈をします。

なぜ柵なのか?
それは、イノシシは学習能力が高く音や光や匂いで完全に追い払うことは難しいからです。効き目があるように見えても、用心深く「様子見」をしているだけで遅かれ早かれ脅かしであることは見破られます。

イノシシは安全であることが分かりさえすれば、かなり大胆です。

私の住む土地には鉄砲打ちはいないとイノシシは分かったらしく

最近では真昼間から出没するようになりました。

その目撃情報もたくさんあります。

イノシシは夜行性ではなく、ただ用心していただけなのです。

私も山の神社で一人倒木処理の方法を考えていて気が付くと

若いイノシシがこっちを見ていたんです。

私が気づいても全然逃げない。

逃げないイノシシはやばいです。!!!

私、本当に鳥肌が立っちゃいました。

武器は何もなかったので、チェンソーを掛けてブアンブアンやったら逃げてくれました。

イノシシ対策は柵に補助金を集中させることしかありません。

イノシシは鳥獣保護法により保護されています。

そして旺盛な繁殖力により駆除で個体数を減らすことは不可能なのです。

イノシシを狩る肉食獣がいない日本でイノシシの個体数を減らすための残された方法は一つしかありません。

食料の減少による自然な個体数の減少です。

極端な話、田んぼや畑にイノシシの食糧がなければ、また、食料があっても絶対に食べられなければ、イノシシはそこにいません。

駆除は鳥獣保護法の観点からも早く諦めるべきでしょう。

柵で農地を囲うしかイノシシを減らす方法はないのです。

少なくともイノシシに関する補助金は柵の設置に一本化すべきです。

また耕作地であればそこからの収入の有る無しは問わない方がいいでしょう。

それも個別ではなく複数の農地を囲むものにすべきです。

もし必要なら、そのうちの一つを囲い罠として使えるかもしれません。